
このような疑問に答えます。
記事の内容
- 文系の大学院に進学するメリット・デメリットをお話します。
記事の信頼性
- 広島大学経済学部→東大公共政策大学院
こんにちは、涼です。
「就職に失敗した。大学院に行ってもう一度就活にチャレンジしたい」
「将来やりたいことがまだ決まっていない。一旦大学院に進学したい」
文系の方でこんな悩みを持っている方はいませんか?
理系で大学院に行く人は多いですが、文系で大学院に行く人って少ないですよね。
文系が大学院に行く意味なんて無いよ。
このように考えている人が世の中に多いのは事実です。
悩むのも無理はありません。
ただ私の場合、大学院に進学して正解だったと感じています。
私は地方国立大学(旧帝大より下位の大学)の文系の学部を卒業後、東京大学大学院に進学しました。
現在は平均年収700〜800万円程度の大手メーカーで営業をしています。
今回、私の経験を基に文系の大学院進学のメリット・デメリットをまとめました。
進路に悩んでいる大学3年生、4年生に読んでいただきたいです。
※ここでの文系とは、法律、経済、政治、文学などの分野のことです。
文系の大学院に進学するメリット・デメリットを語る
本記事では、文系の大学院に進学するメリットとデメリットを書きます。
そもそもなぜ大学院進学をしようと考えたか?
私は下記の理由から、東大の大学院を目指しました。
- 学歴コンプレックスをなくせる
- 将来起業したいという思いがあり、リスクヘッジのために東大院を卒業しておきたかった。(起業で失敗しても、東大院卒ならどこか雇ってくれるだろう、という考え)
- 優秀な教授、優秀な同期がいる環境で勉強したかった。
特に最初の学歴コンプレックスをなくしたいというのは不純な動機ですが、事実です。
大学院進学で感じたメリットは4つ
自由な時間ができる
大学はモラトリアムとよく言われますが、大学院も同じです。
特に文系の大学院は自由な時間が多いです。(理系だと研究で忙しいかもしれませんが)
有り余るほどの時間を使って、人生について考えたり、好きな講義を受けたり、本を読んだり、副業したりと様々なことができます。
モラトリアムを延長したい場合に大学院進学は有効です。
学歴コンプレックスを埋められる
大学院進学によって、学歴コンプレックスを埋めることが可能です。
私は大学入試に失敗したこともあり、学歴コンプレックスを抱えていました。
ただ、東大の大学院を卒業したことで解放されました。
学歴コンプレックスというのは、人によっては一生ついて回ります。
私は学歴を気にする人を会社で何人も見てきました。
難易度の高い大学院に進学することで、解消できるならしたほうがいいです。
頭がいい人、勉強好きという印象を勝手に持ってもらえる。
レベルの高い大学院を卒業すると、「頭がいい人」「勉強好きな人」という印象を持ってもらうことができます。
自分は頭がよくないですが、東大大学院を出ていることで職場や取引先の人から「できる人」と思われることが多いです。
第一印象がよくなるので、仕事がやりやすくなります。
東大ブランドってすごいんだなと思う瞬間です。
就活に失敗した場合に大学院進学は有効
就活で入りたいと思える企業から内定をもらえなかった際に、大学院進学をするのはありです。
大学院卒であれば、まだ新卒カードを使えます。
就活に再チャレンジできるのは大きな魅力です。
大学院生は就活を一度経験しているので、履歴書やエントリーシートの書き方、面接の受け方などの経験値が溜まっています。
その意味で他の就活生より一歩リードしています。
(もちろん、なぜ就活に失敗したかを分析する必要があります。例えば、他の人から就活のアドバイスをもらう、アピールポイントを作る、自己分析をしっかりするなどです。同じ失敗を繰り返してはいけません。)

一旦滑り止めの企業に入ることを考える人がいますが、希望の企業に転職を狙うのは難易度が高いです。
人は環境に適応する生き物です。
「希望の会社じゃなかったけど、人間関係がいいからこのまま働こう。転職しても給料はそれほど上がらないし。そもそも仕事が忙しくて転職を考える時間がない...」
よっぽど強い意思を持っていない限り、滑り止め企業からの転職は難しいです。
最初に入る企業で全て決まると考えたほうがいいです。
大学院進学のデメリットは4つ
大学院進学にもデメリットがあります。
私はいずれも特には大きなデメリットだと感じませんでしたが、念の為記載します。
社会人になるのが同年代に比べて2年遅れる
大学院に進学した場合、大学卒業後に就職した人と比べて、2年間遅れて社会人デビューすることになります。
私の場合、大学入学時に1年浪人していたため、計3年間遅れて社会人になりました。
入社1年目の自分に対して、同年代は入社4年目です。
自分は入社して右も左も分からない中、彼らはバリバリ仕事をしていました。
「結構差がついてしまったな...」と感じたことを覚えています。
入社直後は劣等感を感じることを覚悟したほうがいいです。
入社後は同年代に追いつくため、2倍、3倍の努力が必要になります。
大学院で学んだことを就職先で活かせるのであれば、2年間の差はハンデにはならないかと思います。例えば、研究職の場合などです。しかし、私のように営業職となった場合、大学院(文系)で学んだことを活かせませんでした。深い考察力、分析力、知識がなくても営業は務まるからです。
給料の機会損失がある
大学院に2年間通うと、本来得られたあろう給料がもらえません。
大学卒の社会人1年目の平均年収が226万円であることを考慮すると、226万円×2年=452万円の給料を実質的に逃していることになります。
※参考:社会人1年目の平均年収・貯金額 お金を貯める上手な方法まとめ
この金額を多いと捉えるか少ないと考えるかは、人によって異なります。
私としては、400万程度のお金は人生全体で見ると少ない金額に感じたので、そこまでデメリットに感じませんでした。
授業料がかかる
大学院では授業料が発生します。
例えば、東大の大学院(法科大学院除く)では以下の費用を支払う必要がありました。
入学金:282,000円
授業料(年額):535,800円
合計:1,353,600円(2年間)
高額ですが、私としては車一台分程度なので無視できる範囲の費用だと考えていたので、そこまでデメリットには感じませんでした。
年下に対して敬語を使う
文系の大学院卒業後に会社に入ると、自分より若い人が同期になります。
日系の会社は年次が全てです。
自分より年が若くても、年次が高ければ敬語で話さないといけません。
これは人によっては、抵抗がある人がいるかもしれません。「何で年下を先輩扱いしないといけないのか」と。
ただ、敬語で呼ぶのはだんだん慣れてきます。
私の場合、入社2年目の頃には違和感がなくなりました。
大学院進学と就職のどちらがいい?【学歴視点】
学歴視点からは少なくとも以下のことが言えます。
就職したほうがいいケース
現在の学歴がある程度高いケースは、就職したほうがいいと思います。
例えば、早慶や旧帝大の人が東大院に行くメリットは少ないです。
学部の頃に受けた企業と同レベルの企業に応募することになるからです。
大学院進学のほうがいいケース
現在の大学の学歴が低い場合、大学院進学が有効になります。
例えば、Fラン大学から東大院を卒業した人と、Fラン大学のままの人とでは人に与える印象が違います。
大学と大学院との入試難易度の差が大きいほど、効果も大きくなります。
【結論】大学院に進学してよかった。
私が大学院卒業後に就職したのは、大手メーカーの営業職でした。
正直、学部の頃に受けても受かった企業だと感じます。
ただ、下記の点から大学院に進学してよかったと考えています。
文系の大学院に進学してよかったこと
- 学歴コンプレックスから開放された。学歴の話を聞いてもなんとも思わなくなった。
- 東大院を卒業したことで自信を持てた。決して成績はよくなかったが、どの単位も落とさなかった。講義を英語で受けたことで自信が生まれた。
- 多くの自由な時間で本を読んだり、人生について考えることができた。
- 前の大学では会えないような優秀な人達の中で切磋琢磨できた。
まとめ
今回、文系の大学院進学のメリット・デメリットを整理しました。
ご参考になれば幸いです。
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