このような疑問に答えます。
記事の内容
- 富士通の営業職を入社5年目で辞めた理由
記事の信頼性
- 富士通で法人営業を5年経験。29歳で退職。
- 大手法人のアカウント営業として、ITインフラのリプレースや新技術の提案を実施。
こんにちは、フリーランスエンジニアの涼です
今回、富士通の営業職を辞めた理由を書きます。いわゆる退職エントリです。
就活生の方のご参考になれば幸いです。
※退職理由を思ったまま書きました。前職の人に見られたら気まずい内容です。ただリアルな理由です。
富士通の営業職を入社5年目で辞めた理由
富士通の営業は「営業」ではない
富士通の営業は、世間一般で言うところの「営業」とはイメージが違います。
「調整役」「まとめ役」といったほうがしっくりきます。
社内部門の力を借りないと営業活動を行えません。
例えば、お客さんから製品やソリューションの紹介を依頼された場合です。
SE、支援部門、事業部の中から適したメンバーをお客様先に連れてきます。説明は彼らに任せます。営業がやるのは進行やメモ取りぐらいです。自分で説明することはありません(説明内容が簡単なものであれば、営業だけで訪問して説明しますが)。
これは富士通が扱う商材が幅広く、どれも技術的なIT知識を求められるためです。専門の担当者に説明させたほうが効率的です。
製品紹介の打ち合わせが終わった後にやることは見積提出ぐらいです。
お客様の要望を満たすという意味では目的は達成しています。しかし、「人を連れて行くだけの人」になっていることにやりがいの無さを感じました。入社後4年間で広く浅いIT知識が身につきましたが、1つ1つのソリューションに精通することはありませんでした。
他の例を挙げると、SI(システム構築)もSE(システムエンジニア)任せです。
例えば、基幹システムのリプレースでは、SEのPM(プロジェクトマネージャー)が指揮を取ります。
PMが他のSEやパートナー会社と共に要件定義、設計、構築、テストの各工程を進めていきます。お客様との定例会もSE主体です。SEがプロジェクト状況を報告します。
営業がやるのは、見積書や契約書作成、費用調整、機器手配、社内部門への問い合わせぐらいです。事務作業ばかりです。SEのサポート役といってもいいでしょう。
「富士通で営業をどれだけやっても、スキルは身につかない」「リストラされた時、社外で使えるスキルは残っているか?」「SEは営業の仕事をやろうと思えばやれる。でも、営業は技術的なスキルがないのでSEの仕事はできない。SIerの営業はそもそも必要な存在なのか?」そんなことを考えました。
他にも例えば、システムのリプレースの提案書を書くときも、たたき台をSEに作ってもらいます。営業は最後に修正を加えたり、提案書の前文を書く程度です。
このように富士通営業は「調整役」「まとめ役」と言えます。
同じ仕事を繰り返すだけ
富士通の営業職は同じ仕事を繰り返すだけです。
営業の主な仕事は「事務処理(見積、契約)、社内調整、製品紹介、数字管理、問い合わせ対応、提案」ぐらいです。これが延々と続きます。
営業3年目の頃でしょうか。「あれ、毎日同じような仕事を繰り返してるだけでは?年次を重ねても、やることが何も変わらない」と感じました。
入社した頃は、全ての仕事が新鮮でした。事務処理1つとってみても、先輩に0から教えてもらいながら、何とかこなしていました。「できないことができるようになっていく」そんな成長している実感がありました。
しかし、同じ仕事を繰り返していることにだんだんと気づきました。
10歳、20歳上の営業の担当社員も、若手と同じような仕事を続けています。
「仕事内容が入社時から変わってない。このままじゃやばい。スキルが上がらない」と思いました。同じ仕事をどれだけ繰り返しても、身につくスキルには限度があります。
もしかしたら、将来マネージャーや部長になれば、部下の管理や顧客幹部との折衝があったりと、見える景色が変わるかもしれません。しかし、基本的に営業職の仕事内容は変わりません。
このようにスキルが上がらないことに不安を覚え、退職しました。
※ちなみに、富士通の営業職には5年目ローテーションという制度があります(2017年より開始)。営業は入社5年目になったら、他の営業部署に異動になります。異業種を担当することで、多様な経験を積ませるというのが主旨のようです(若手社員の離職を防ぐため、という噂もありますが)。私も異動しました。ただ、営業としての仕事内容はほぼ変わりませんでした。他の部署に移っても、状況が変わらなかったため辞める決意ができました。
富士通は年功序列。若手の給料は上がらない。
富士通は年功序列の会社です。
20代はどれだけ成果を出しても、給料が上がらない。これが退職の大きな決め手でした。
若手の給料は低く、高齢の社員の給料は高いです。たとえば、入社3年目でバリバリ仕事している社員が年収400万円、たいして仕事してない50歳の社員が年収800万円、ということがよくあります。
富士通には給与のベースとなるランクがあります。トレーニー、G2、G3、G4、SP、幹部職の5つです。
入社直後は全員トレーニー(見習い)です。
入社3年目からはG2もしくはG3にランクアップします。学部卒はG2、院卒はG3からスタートです。しかし、ランクアップしても、給料は低いままです。ぶっちゃけ変わりません。残業の多いトレーニーのほうが、残業の少ないG3よりも給料が高くなることもあります。
大型商談を受注するなどして成果を出しても、20代のうちは給料は上がりません。仮に上司からの評価が上がっても、ボーナスが数万円増えるぐらいです。割に合わなさすぎです。
仕事を頑張っても給料が上がらない。「積極的に商談を取りに行かない。上司から怒られない程度に働く」こういった20代の若手社員をよく見ました。
G4というグレードに到達するまでは、給料水準は横並びです。G4にはだいたい30代前半で到達します。つまり、入社後10年間、低い給料に耐えないといけません。
このように低い給料に不満を感じていました。
昔と異なり、残業代で稼ぐこともできません。以前は残業天国だったので、残業をすればするほど青天井に給料がもらえたようです。しかし、今は働き方改革の流れで残業規制がかかっています。月40時間以上の残業はNGです。
マネージャーと部長は「数字を取りに行きなさい」と若手社員に発破をかけます。彼らは出世やボーナスが数字次第なので一生懸命です。一方、20代だとは成果と給与が連動しないので、モチベーションは低いままです。
このように給与制度への不満がありました。
※専門学校卒で入社するともっと給料が低くなるようです。専門学校卒の同期がいるのですが、手取りが16万円というのを聞いてびっくりしました。本人は「幼稚園の教師をしている姉よりも給料が低い。本当に富士通の給料なのか?」と言ってました。
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出世は上司から気に入られているかで決まる
富士通で幹部社員に昇進するためには、部長や課長から気に入られているかで決まります。
どれだけ部の数字に貢献したか、部下のマネージメントが得意かは出世にあまり関係ありません。
「どれだけ気に入られているか」「部長や課長が本部内で力を持っているか」「部下を昇進させる気があるか」これで決まります。
所属長の推薦があれば、30代後半頃から課長になるための課長面談を受けられます。しかし、優秀であっても、ポストが空いてなかったり、部下がを出世させる気がないと課長面談を受けられません。
優秀な40代の先輩2人が、「ポストが空かない」「部長が出世させる気がない」ということが原因でずっと担当社員のままでした。「今の部署にいても出世できない」と諦めて、他の部署に異動する40代の先輩もいました。
出世が運の要素で決まるのを間近で見てきました。「自分の未来を運に委ねたくはない」と思ったのも退職理由の1つです。
受注までの期間が長い
富士通はSIビジネスが主体です。顧客は時価総額何千億といった大手企業ばかりです。
基幹システムリプレース(機器の老朽化による入れ替え)の場合、商談規模がかなり大きくなります。1、2億円のリプレースはざらです。10億、20億のリプレースもよくあります。
費用が大きくれば、顧客も慎重に検討します。規模によっては受注まで年単位の時間を要します。
例えば、以前2億円規模のインフラ商談を担当していたのですが、その際は提案開始から受注まで3年かかりました(前任の先輩から引き継いだ案件です)
オンプレやクラウド、仮想化基盤など何パターンも検討します。提案が長期間に渡ります。
お客さんから引き合いをもらってから、受注、納品まですべて担当できればやりがいもあるでしょう。しかし、リプレースは数年単位です。たいていは部署異動やチーム編成の変更で営業担当が変わります。他の先輩から引き取った案件を受注しても喜びはありません。
「これは自分が獲得した商談なのか?前任者のおこぼれじゃないか?」と思うことがよくありました。
個人的な理由(仕事に飽きたとか)
あとは個人的な理由で辞めました。人によっては、特に気にならない点かもしれません。
退職した個人的な理由
- 週5日働きたくない
- スーツ着たくない
- 通勤したくない
- 営業の仕事に飽きた
- 尊敬できる先輩がいない
- 楽しそうに働いている人がいない
会社員が向いていなかったということでしょう。今は退職し、フリーランスとして活動しています。
まとめ
今回、富士通の営業を辞めた理由を書きました。ご覧いただきありがとうございました。